尾鷲よいとこ定食の店vol.9(もりば)

<尾鷲よいとこ定食の店>

 

このコラムは、漁港の町で地魚料理を味わう冊子 「尾鷲よいとこ定食の店」との連動企画です。「尾鷲よいとこ定食の店」掲載店を訪ねて回ります。

第9回目は、「もりば」さんを訪ねました。

 

 

 

尾鷲南インターを降りてから国道42号線を進むこと5分ほど。右手に食事処もりばの看板が見えます。

 

港町の定番は刺身だと思います。造り定食も人気ですが、天ぷらのファンも見受けられます。地元の方からは「天ぷら食べるなら、もりばへ行こか」と、親しまれる“町の定食屋”といったふう。

 

今回ご紹介するもりばのよいとこ定食は「アカイカ(赤いか)の天ぷら定食」(1,480円から)です。

 

<もりばのアカイカの天ぷら定食>

 

 

国道沿いというロケーションも手伝ってか、インターネット上のレビューでは、外から訪れる人からも、高評価の集まるもりば。

 

さっそく、アカイカの天ぷら定食をいただきました。

 

 

懐紙に、ぎっしりと盛られたアカイカの天ぷら。この日はゲソ2つに、身が5貫。時期によりイカの大きさは変わるものの、「アカイカでお腹をいっぱいにしてほしい」という思いは変わりません。イカ好きにはたまりません。

 

口に入れるとサク、サクとした薄い衣。スーパーでつくり置きの天ぷらを買うことはあっても、揚げたての天ぷらは久しぶり。家で揚げると、油ハネや“爆発”もするアカイカ。ぜいたくな気分を味わいつつ、あっという間に平らげた。

 

おなかいっぱいのまま、もりばの2代目に話を聞きました。

 

 

戸惑いながら、しぶしぶ写真を撮らせてくれた森場高信(もりば たかのぶ)さん。中学生のとき、もりばが開店。高校を卒業すると、店に入った。

 

「料理が大好きだったわけでもないんですよ」

 

家業を継ごう。その気持ちが大きかった。板場に立って11年が経つ。

 

よその飲食店に行けば、つい味つけが気になる。お客さんが帰ったあとも、翌日の仕込みを行う。ほとんどの料理が手づくりだからこそ。会話の節々に、料理人の気概がうかがえる。

 

そんなもりばには、地元の利用はもちろんのこと。和歌山、四日市、新宮と市外のお客さんも幅広く訪れる。高速道路が北は名古屋まで、南は熊野市まで開通したことも大きい。

 

座敷と個室があるからこそ、家族連れはもちろん、一人でアカイカの天ぷら定食を食べにくる女性も。

 

 

「やっぱりアカイカがね、一番うまい。うまいんですよ」

 

アカイカは、高信さん自身の一押しでもある。

 

「湯がいて酢みそ合えにしても、炒めても、フライにしても」

 

ただし、仕入れは尾鷲の海まかせです。造り定食も、味噌カツ定食も、キスの天ぷら定食も人気ですが、「どうしてもアカイカの天ぷらが食べたい!」ときは、来店前に電話で問い合わせを。

 

 

 

<お店の情報>

食事処もりば

住所 三重県尾鷲市矢浜 2-7-20

電話 0597-23-3808

営業時間 11:00~13:15/17:00~20:00

営業日:火曜休み /席数:50席/駐車場:8台

アクセス:南ICから車で5分。尾鷲駅から車で10分。国道沿いに「食事処もりば」の看板が見えます。

 

(写真と文 大越元)

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